プロフィール

keimizumori

Author:keimizumori
早稲田大学理工学部卒業後、1992年に渡米。芸術・文化・社会問題で新聞・雑誌等に寄稿するジャーナリストとして活動後、 2003年に帰国。「自然との同調」を手掛かりに神秘現象の解明に取り組み、科学的洞察力を養う解説を行うナチュラリスト、サイエンスライター、代替科学研究家。 現在は、千葉県房総半島の里山で農作業を通じて自然と触れ合う中、研究・執筆活動に加え、各種セミナー・イベント等をプロデュースしている。
著書に『ついに反重力の謎が解けた!』、『底なしの闇の[癌ビジネス]』(ヒカルランド)、『超不都合な科学的真実』、『超不都合な科学的真実 [長寿の謎/失われた古代文明]編』、『宇宙エネルギーがここに隠されていた』(徳間書店)、 『リバース・スピーチ』(学研パブリッシング)、『聖蛙の使者KEROMIとの対話』(明窓出版)などがある。


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リバース・スピーチ ~ 偶然は重ならない!

リバース・スピーチ現象は偶然の一致なのでは? そう疑う人もいるでしょう。
確かに、そのような傾向は否定できません。つまり、通常再生時の音(おん)の羅列が、逆再生時に偶然に意味のある言葉として聞こえるケースです。
できるだけ分かりやすく説明するために日本語で説明しましょう。

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例えば、中島みゆきの『悪女』の歌詞には、「男と」という言葉が現れます。


これを逆再生すると、やはり、【男と】と聞こえます。


実は、「男と」をローマ字表記すると、「OTOKOTO」となります。これは、前から読んでも後ろから読んでも音的に同じです。そのため、逆再生で「男と」と聞こえるのは不思議ではありません。また、誰が発音しても、逆再生時に同じように聞こえます。つまり、これらはリバース・スピーチとしては除外すべき例、又は表音依存度が高すぎる例と言えます。

しかし、同じ『悪女』の歌詞には、「女のつけぬコロンを買って深夜の茶店の鏡で」という個所もあります。この中で、

深夜の

を逆再生すると

【そない無理し】

と聞こえ、

女のつけぬ

を逆再生すると

【胸膨らむの】

と聞こえます。

これらに関しては、「男と」の場合とは異なり、同じ歌詞を他の人に歌ってもらい、録音後、逆再生してみても、
必ずしも「そない無理し」や「胸膨らむの」が現れる訳ではありません。音(おん)としては、近いものが現れるとしても、中島みゆきのように、聞き取れるフレーズを再現するのは至難の業です。

歌ったり、喋ったりする人物の発音、アクセント、抑揚など、特別な条件が揃って初めて生成されるのです。
このように、リバース・スピーチは通常再生時の表音に依存しやすいものの、その程度はまちまちで、表音依存度が低くなるほどリバース・スピーチの特異性が際立ってきます。


つまり、表音依存度の高いリバース・スピーチは、「男と」のように、偶然として一笑に付されても致し方ないと言えますが、表音依存度の低いリバース・スピーチは、偶然を超越して、特別な条件が揃った時に初めて生成される特異性を備えています。
実際のところ、同じ人物が同じ内容を繰り返し喋っても、常に同じリバース・スピーチが現れる訳ではなく、その時に込められた感情によって、表音とは乖離したさまざまなリバース・スピーチが現れます。

誰もが想像できるように、偶然によってのみリバース・スピーチが生まれるのだとしたら、それらは、表で語られる内容とは無関係に、音(おん)が一致した言葉のみが逆再生時にランダムに現れるはずです。ところが、「そない無理し」や「胸膨らむの」といったリバース・スピーチは、奇しくも曲の主人公の心理状態を如実に反映しているのです。

これこそが驚愕すべきリバース・スピーチの特異性で、その判定に際して、筆者は表音依存型なのか、自立型(表音乖離型)なのかどうかを判断材料としています。つまり、表音依存度が低く、自立的なリバース・スピーチになるほど、その発言者の本音となる感情が無意識のうちにリバース・スピーチとして生成されてしまうのです。

優秀な歌手ほど、歌詞の内容に深く感情移入を行います。その結果、その歌詞の内容(歌手の心理)を反映・補完するようなリバース・スピーチが現れるのです。

因みに、リバース・スピーチは逆再生した歌声だけから聞こえるものではなく、通常の会話やスピーチからも幅広く現れます。そして、研究を続けたオーツ氏は人のスピーチに関して次のような結論を下しました。

  • 人のスピーチは、少なくとも二つの独立した、しかし補完的な機能とモードを持つ。
  • スピーチの二つのモードである「通常再生=表のモード」と「逆再生=裏のモード」は、互いに補いあって一つとなり、依存しあっている。
  • 裏のモードは表のモードの前に生成される。

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