最近、がん対策として糖質(ブドウ糖)の摂取を減らす食事が注目されていますね。これはダイエットや一般的な健康法にも通じる訳で、医者もご飯(お米)を減らせとかいう傾向もあり、効果はあるとしても、残念ながらこれは多くの誤解を与えてしまっていると思います。
これは、木を見て森を見ずという捉え方で、肝心なことへの理解を促さない状態で終わってしまっています。がん細胞にとってブドウ糖はエサにはなるものの、本来、ブドウ糖が悪い訳ではありません。
例えば、効果的ながん対策として、グレープ療法というのがあります。ぶどう以外の摂取を制限する半断食療法です。グレープには豊富なブドウ糖が含まれていますが、がん対策には有効です。抗がん作用、抗酸化作用などのある栄養素がたくさん含まれているからです。但し、重要なことは、無農薬・無化学肥料で育てられたグレープでないと効果が期待できないことです。
結論を言えば、我々が自然環境を破壊して、生態系、少なくとも農作物を収穫する耕地の生態系のバランスを崩してしまったことが、おかしな体質を作ってしまった原因です。健全な体質であれば、ブドウ糖は害にはならず、純粋に栄養を与えるものです。
我々は化石燃料を消費(燃焼)することで硫黄酸化物を、窒素肥料からは窒素酸化物を生み出しましたが、それらは植物による特定栄養素の吸収を阻害してしまいます。また、酸性雨の原因を生み出し、地表を酸性化させつつありますが、酸性環境下では活発に生きられない生物もいれば、むしろ活発になる生物もいます。pH値に象徴されるように、あるレベルで維持される生態系は重要です。
そのようなことから、本来であれば、植物に十分含まれる栄養素を我々は摂取できない状態になりつつあります。
また、抗生物質の普及も生態系に影響をもたらします。家畜に与えられた抗生物質は、肉を食べるだけで我々の体に取り込まれるだけでなく、糞、つまり、肥料を通じて農地にばら撒かれ、降雨によって川に、そして海に注がれ、様々な食品を通じて我々は間接的に摂取するようになります。抗生物質は多くのバクテリアを殺しますので、先進国では、バクテリアを原因とした感染症は減りつつありますが、反動として真菌(カビ)を蔓延らせる環境を生み出してしまいます。真菌は酸性環境で湿度の高いところを好みます。日本など、真菌にとっては非常に快適な環境になりつつあります。
地上では様々な生き物が存在して、生態系のバランスが維持されている訳ですが、人間活動の結果、酸性化に傾くなど、各地、特に耕地では生態系のバランスは完全に崩れてしまっています。地球を大宇宙と見なせば、人体は小宇宙であり、小宇宙の中にも無数の微生物が存在して、生態系を維持しています。しかし、地上世界という大宇宙の生態系が崩れていれば、人体という小宇宙の中の生態系も同様に崩れます。これは切り離すことができません。
食品添加物も人体内に影響をもたらすだけでなく、我々の排便排尿等を通じて大宇宙(地上世界)に放出されます。
もし自然環境に汚染がなく、植物が健康であれば、野菜やフルーツを普通に食べているだけで我々はガンを予防し、癒すことになり、ブドウ糖の摂取はただ栄養を与えるだけです。だから、あくまでも、小宇宙のバランスを欠いて病んだ人間が、病んだ食品を食べることを前提に、仕方なく思いついた方法の一つとしてブドウ糖制限があるのです。私が拙著『
ガンの原因も治療法もとっくに解明済だった! 底なしの闇の[癌ビジネス] 隠蔽されてきた「超不都合な医学的真実」
』(ヒカルランド)で紹介したように、もっと手っ取り早く、バクテリアが抑え込まれ、真菌が増殖した小宇宙の生態系にバランスを取り戻す方法として、殺菌療法があり、がんに効果的な訳ですが(これも理想的とまでは言えない)、それは大宇宙の生態系のバランスと対比させて考えることで理解できるようになるのではないかと思います。
最近、腸内フローラにおける善玉菌、悪玉菌、日和見菌のバランスに関しても言及されるようになってきましたが、小宇宙のおける生態系として、バクテリアに限らず、真菌、ウィルス、原虫などにも幅を広げ、さらに地球環境(大宇宙)との繋がりに関しても触れられるようになって欲しいものです。それにより、最大の薬は、自然に存在する生き物たちに愛情を注ぐことであると理解されるようになるのだと思います。
