昨日、「
アトピー性皮膚炎 原因は細菌の異常増殖か」というニュースがありました。
原因がはっきりしない現代病の多くは、様々な環境要因で抵抗力が低下した際に、バクテリア、ウィルス、真菌等が異常増殖して、日和見感染を起こすというのが一つのパターンだと思います。日和見感染とは、健康な人ではなんでもない微生物、つまり、ある意味では共生してきた寄生生物が豹変(体内生態系を崩すほど増殖)してやられてしまう現象と言えるのではないかと思います(もちろん、原因が微生物にあろうと、その活躍場を生み出してしまう下地を作ってしまうのは重要ではあります)。
このアトピー性皮膚炎に関しては、抗生物質を飲み続ける間は効果を発揮するとのことですので、一定期間以上、抗生物質を飲み続け、完全にその病原菌を一掃すれば、解決するという発想に結びつくのだと思います。
でも、見方を変えると、抗生物質で効くというよりも、耐性を有した厄介な細菌、さらに見方を変えると、免疫が衰えているので、「耐性を有した厄介な細菌」に見てしまうということでもあるかもしれません。そのうち、抗生物質では効かなくなる可能性がありますし、他の病気にかかりやすくなる可能性も出てくるように思います。今、治療薬がそろそろ手に入るのではなく、治療薬がなかなか見つからなくなるギリギリのところというか、危ういレベルに向かいつつあると思います。
遡れば、人間が有害なものを生み出し、環境破壊を行ってきたことが背景にあると思えるのですが、それはすぐになくせない環境になってしまっているということを前提とした場合、鍵は、やはり、自然との同調にあると思います。
様々なアレルギーは幼い時に触れ合っているとほとんど発症しないという傾向があります。これは、いわゆるワクチン効果と似て、そこで抗体ができるというのと似ていると思います。
ただ、その先があります。3歳ぐらいの子供の時まで、という条件があります。この条件を外して、大人にまで適用できないのか?と言えば、自然との同調によって可能性は開かれると思います。
幼子はまだ周囲の環境を敵対視することもなく、自然環境に同化・同調しています。親の影響も大きいので、本人だけの問題ではありませんが、アレルギーを代表とした病気は、個の意識が芽生えて、分離意識が表出してしまってからは、厄介になるのではないかと思います。有害となりうるものを少しずつ受け入れるようにして抵抗力を得ていくような療法がありますが、それは分離してしまったからです。特別に有害ではないにも関わらず、有害なものと判断し、避ける意識がさらに重い状況を生み出してきたように思います。
我々は他の生物と互いに依存し、寄生し、寄生され、交流・共存しています。免疫を獲得した人は、ある意味では、幼子のうちに様々な生物と友達になり、信頼を得ていたという見方もできます。しかし、環境破壊は分離意識を行動に移したものですので、それをやめない限りは、分離意識による病は代々受け継がれて、生まれた時からアレルギー体質という状況がますます増えていくのではないかと思います。
感染症には隔離が重要という原則はあるのですが、いろいろな面でその分離意識が過剰にでてきたのが現代という気がします。健康に悪い、体に悪いと避ければ避けるほど、魔の手が追いかけてきます。放射能問題はその最たるものです。逃げれば逃げるほど追いかけてきて、餌食になっている自分に気が付かなくなってしまいます。犯罪抑止のための監視社会も手伝っています。インターネットの普及もあって、かつてなく人間同士批判し合うことも急増していて、これも自然(仲間)との同調とは逆方向に作用しています。今、我々は大きく道を踏み外す方向性に意識が傾くかどうか、試されているように思います。
5月31日(日)の講演会では、そんなことも触れる予定でいます。
アトピー性皮膚炎 原因は細菌の異常増殖か
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150422/k10010056361000.html